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人の尊厳を保つために必要なこと

TEDの動画は、

マドレのIT支援をしてくださってるYsnextの佐藤さんに

教えてもらいました。

私はジャクリーンさんが日本でも有名になる何年もまえに

FIGAROという雑誌で紹介されている記事を読んで

とても感銘をうけ、ずっと切り抜いて壁に貼ってました。

いまでは、その連載がもとになった本が、

Change Makerとして売られています。

チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える

ジャクリーンさんの話で、

貧困とは、選択の自由がないこと、というのがありました。

「お金がない」ことは、貧困の定義のうちのごく一部。

貧困によって、自尊心が奪われること、

自分の力で人生を切り開くことができるという概念が持てないこと、

というのが問題で。

そう考えると、日本でも、

子どもや夫や介護など、さまざまなことを理由に、

自分自身の選択をあきらめる人はたくさんいる。

パートナーが稼いできてくれるお金があるからこそ、

そこから抜け出せないという皮肉な現象も。

.

このジャクリーンさんのスピーチに出てくる女の子の希望は、

結婚することと、医者になること

(つまり家族をもつことと、社会において誰かの役にたてること)

この二つだった。

.

まずは、家庭を・・・とおもって、結婚したけれど、

2人目の妊娠がわかったころ夫は家出、

自分は生きてくために売春を始めて、

最初の希望からは遠ざかったかのように見えたけれど、

その後、売春をやめて、マイクロクレジットの融資を受けて、

ミシンを買い、古着のリメイクの仕事を始め、

愛する子どもたちという家族にも恵まれ、

最初の希望は形を変えて、叶ったという話。

.

ジャクリーンさんは、

マイクロクレジットによって、

貧困から抜け出すことができた人の例を

聞いてる人に伝えているために、

このスラム出身のひとりの女性の話をしているのだとおもうけど、

私は、なんだか、この話をきいて、

どんな環境においても、人間の尊厳を維持するためには、

結婚して家庭をもつだけではなく、

それに加えて、職業をもつということが大切なのではないかと、

つよくおもった。

「家のことを専業で担う」ことが、

誇り高き職業のように信じ込まされている人が、

日本にはまだまだたくさんいる。

でも、専業で家のことを担う人がいると、

一緒に暮らす人は、「家のこと」をその人にまかせて、

自分は、何もやらなくなっちゃうというリスクがある。

現に、夫の帰りは、10時過ぎ、

子どものこと、家のことは、妻がすべてやる、

という家庭はいまだに多数派だ。

しかも、それを、選択しているというよりも、

そういうものだからしょうがない、としてしまっている。

「家のこと」というのは、誰か一人が専業で担うものではなく、

そこに暮らすすべての人が、それぞれ担うのが本当なのではないか。

「暮らす」「生活する」ってそういうことなんじゃないか。

そう考えると、外でお金を稼いできてくれるお父さんを、

家でおとなしく待つ妻と子ども、

というのは、実はすごく尊厳を奪われている存在なのではないか、

とおもってしまう。

そこに、それ以外の選択を見いだせない、という意味で。

それから、子どもをいつでも自分の手元においておく、

という発想も、

「よきこと」として、正当化されがちだけれど、

その子どもから、

いろんな人に接してかかわる体験、

親以外の人から抱きしめられる体験、

他人を信頼する体験を、

奪っているということには、あまり言及されることがない。

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